1月17日(木)には、今年度最後の情報教育研究調査員会が開かれました。
今回の会合には、朝日町教育委員会のICT教育アドバイザー派遣事業でお越しいただいた上越教育大学 学校教育実践研究センターの教授 石野雅彦先生をお招きして政府のICT教育の方向性とこれからの朝日町としてのICT教育の在り方についてご助言いただきました。石野先生は、政府の掲げる情報化社会Society5.0(超スマート社会)と学校Ver3.0(「学び」の時代)に対応するために、富山県において恵まれたICT環境を誇る朝日町の学校の先生が高い意識で学びのデザインを行ってほしい。それができれば、おのずとICTの有効活用につながるはずである。」と教えていただきました。
その後、今年度の調査員会の取組について成果と課題を確認しました。その中で、夏季情報研修の在り方の見直しや、公開授業の機会の設け方、モラル教室の必要性について話し合われました。
朝日町のICT教育は、恵まれたICT環境や小中高の情報交換といったスケールメリットを生かし、児童生徒にとってより効果的な学びを提供できると考えます。そのために、来年度の調査員会でも、限られた時間の中で、学校の現状とニーズに合ったより質の高い研修を計画していきたいと思います。
投稿者「朝日町教育センター」のアーカイブ
1月17日 ICT教育アドバイザーを招いての情報教育研究調査員会
1月11日 今年度の郷土教育教材開発研究調査員会のまとめ
1月11日(金)に今年度最後の郷土教育教材開発研究調査員会が開かれました。今年度の郷土教育教材開発研究調査員会は、夏季休業中に行った「郷土に学ぶ」現地学習会の企画運営を始め、郷土教材資料「わたしたちの朝日町」等の改訂、今年度初めて行った郷土教材の活用を促す「郷土教育教材研究発表会」等、多岐にわたって活動してまいりました。
調査員会の協議では、今年度の成果と課題について話し合った後に、来年度の方針について活発に議論されました。その中で、現地学習会の特別講師の選定や運営の在り方、郷土教育教材研究発表会の継続、新しい郷土教材の開発について検討することができました。
調査員の意見の中には、「郷土教育教材研究発表会を新しく始め、成果を挙げているのだから続けていくべきである」「働き方改革が叫ばれるが、調査員になったからには自分の教師力を向上するために、少し負荷がかかってでも質のよい活動を行っていく必要がある」といった声が聞かれ、調査員の強い責任感が感じられました。
「郷土を愛する心を育むためには、まず教師が郷土のよさを知ること・感じることが大切である」
そのために、来年度はさらに郷土教育教材研究調査員会の活動を有意義なものにしていきたいと思います。
11月29日 「郷土教育教材研究発表会」
郷土教育教材開発研究調査員会では、今までの先輩方がつくられてきた郷土教材を知らない教員に広め、積極的に活用していくことを目的に、今年度初めて「郷土教育教材研究発表会」を開催いたしました。
まず、参加者に「朝日町に関する教材の活用例」の冊子が配られました。調査員の皆さんは、その中の郷土教材のよさや活用方法、授業実践の結果をプレゼンテーションしてくださいました。発表の内容は、以下のものでした
① チューリップ栽培(山下調査員) ② 朝日町の地図利用(井田調査員)
③ 舟川新の耕地整理(中嶋調査員) ④ 朝日町の民話の利用(上野調査員)
その他の郷土資料についても紹介し、資料の存在や活用法について知っていただくことができました。
受講者からは、「郷土教育は、教科書だけでは感じられない学びや心情の成長が得られるなあと思います。普段なかなか教材研究することが難しいですが、こういった例を示していただけると参考になってとてもよいと思います。」「私がかつて調査員として編集した郷土資料を活用してくださることはとても嬉しいです。地域を愛する、地域を大切にする心を育む一つのきっかけになれば…と思います。」といった郷土教材のよさを感じていただけ体験が多く聞かれました
「郷土教材を扱うことで、児童生徒だけでなく、教員自身にも地域を知る、地域とつながる、郷土を愛するきっかけとなると思います。ぜひこの素晴らしい教材を各校で積極的に広め、活用してほしいと思います。」そんな委員長や調査員の言葉からも、郷土教材を取り扱う意義を改めて確認し、実践への意欲をかき立てるきっかけとなった素晴らしい研修会でした。
11月22日 情報モラル教室を開催!
11月22日(木)に朝日町情報モラル教室を開催いたしました。今年度は、「KDDIスマホ・ケータイ安全教室」の担当講師北川氏をお招きして、午前の部は中学校全校生徒、午後の部は小学校5・6年生を対象に2つの講座を開きました。
教室では、「ゲーム依存と課金システム」「安易な動画投稿による情報の拡散と炎上」「SNSの表現不足による伝わり方の違い」「なりすましによる個人情報・金銭の請求」等、児童生徒が陥りやすいトラブルの動画をみて、講師の解説を聞く形式で行われました。
KDDIの制作した動画は、よく起こりがちな内容をリアルタッチにまとめたものでした。そのため、児童生徒は一瞬のうちに動画の世界に入り込み、トラブルが起こった原因について、講師の先生と一緒に考えていくことができました。
情報モラルを育てるためには、家庭でのルールづくりと継続的な見守り、そして定期的な学習が大切です。情報化社会は、日々進化しております。だからこそ、親子で問題点を考えたり、ルール作りをしたりといった「一緒に学ぶ機会」をもつことで、適切な判断力を養ったり、正しい使用方法を学んだりすることができるのです。
モラル教室後には、家庭でできるルールづくりの方法やフィルタリングのパンフレットを配布いたしました。夜の部では、「朝日町PTA連絡協議会研修会」も開かれました。これらをきっかけに、ぜひ「親子でインターネットを一緒に学ぶ」機会を家庭でつくってください。
11月16日「授業の達人」事業 あさひ野小学校横山先生の実践から学ぶ
11月16日(金)に富山県教委による「授業の達人」事業の授業公開がありました。今回の授業は、あさひ野小学校 横山亜希子先生が算数科の授業を公開されました。この横山先生の授業を参観させていただいて、多くの学ぶべき点がありました。その中でも特に勉強になったことは、「児童の思考に添った学習過程の流れのよさ」です。
① 前時までの学習を全体で対話しながら
確認する。
② 関連性を生み出し、必然性のある課題
を提示する。
③ 個人追究の時間の確保とワークシート
・ヒントカードの活用
④ 協同追究の場の設定(ペア→全体)
⑤ 適用問題の実施(理解度の確認)
⑥ 学習のまとめを子供の言葉で行う。
この工夫されたすべての内容を、スムースにやるのは極めて困難なことであるが、日頃の算数科の指導がとても浸透しており、子供たちは慣れた様子で学習に打ち込んでいました。
「まねぶ=学ぶ」 これは、教師も子供も共通することです。先輩の先生方のテクニック、発問・問い返し、児童・生徒理解の仕方など、まずは真似ていくことから始めましょう。
11月14日 学力向上推進委員会の振り返り
14日には、第3回朝日町学力向上推進委員会が開催されました。
この会では、全国学力学習状況調査の結果を踏まえて、町としての共通課題・教科ごとの課題に対して改善の方策を練り合い、課題解決に向けた実践事例を紹介するという取組を行っています。
今回は、委員の先生方が行った実践とその効果を交流しました。この実践は、後日発行予定の「Rising Sun」に掲載し、町内外に広めていきたいと考えております。どうぞお楽しみに!
<委員の振り返りから>
Q:本町の児童生徒の学力を伸ばすためには、どうすればよいと思われますか。
・小中連携の継続(可能であれば互見授業等の現場での研修を行う)
・自分事として考え、表現する機会を増やすこと
・児童生徒がやりたい・やってみたいと思う学習にすること
・基礎・基本の定着
・ルールやマナーを守れるように学級経営を工夫すること
・話をよく聞く子の育成
・少人数授業・グループ学習ができるように授業を行うことができる教員を増やす
・「継続は力なり」よい実践の中から、教師が的を絞って継続していくこと。
(学校全体として共通行動すること。例:語彙を増やす。ペアトーク等)
11月10日 あさひ野小学校創立20周年おめでとう!!
先日10日、「朝日町立あさひ野小学校創立20周年記念行事」が開催されました。
記念式典には、多数の来賓の方々が招待され、200名以上の参加者で盛大に行われました。「あさひ野っ子のあゆみ~20年目の誓い~」では、子供たちの呼びかけに合わせて、映像や歌を交えて統合から20年目までの歩みを心を込めて紹介してくださいました。
午後の部では、記念講演会として大谷多賀子氏と追分 結氏による「記念演奏」が行われ、美しいハーモニーと観客を惹きつけるトークで大変盛り上がりました。
地域と共に歩んだあさひ野小学校。これを節目に、誓いを新たによりよい学校づくりへの歩みをまた一歩スタートされました。
本当におめでとうございました。
10月31日 H31年度外国語科に向けての授業改善の視点を提案
先日、10月31日(水)さみさと小学校にて「第2回外国語活動研修会」が開催されました。この研修会の目的は、小学校外国語活動で使用されている新教材「We Can」の活用法を知るとともに、H31年度からの教科化に向けてどのように授業改善を図り、中学校への円滑な接続を行うのかについて学ぶことでした。
公開授業の単元は、「We Can1 Unit 5の3時間目」で、三人称の表現に出合う場面を取り上げました。この単元教材は、第1回の外国語活動研修会で教材研究して、それを基に、授業者だけでなく外国語活動推進委員会が学習指導案の作成に携わったものでした。
この単元で取り扱わなければならない学習内容は、「Canをつかった表現への慣れ・親しみ」「三人称(He、She)への表現の広がり」です。この2つを子供たちがスムースに取り入れていくために、「音声の違いに気付く場面の設定」や「帯活動によるCanの表現への慣れ」を中心に単元構成を工夫しました。
本時では、帯活動において「Animals Cards Game」を用いてのcanを使った対話活動がありました。子供たちは、毎時間パターンを変えながら取り組んでいたせいか、とても慣れており、どの子とペアを組んでも「Can you~?」「Yes,I can~」「Are you ~?」「That’s right」というやり取りがとてもスムースに行われていました。帯活動の効果で「Canをつかった表現への慣れ・親しみ」が十分に達成されていることが分かりました。
その後、三人称との出合いの場面では、ALTとJTEによる「好きな人の紹介」を聞きながら、音声の違いへの気付きから三人称(He・She)の表現に出合うように設定されました。本田圭佑と安室奈美恵という子どもが興味を引く題材を基に紹介文を提示すると、子供たちは、耳をそばだてて聞き、すぐに「HeとSheの音に違い」に気付くことができました。その後のスリーヒントクイズの活動も、「He can~.She can~.」の表現に徐々に慣れていくように、段階を追って活動を仕組まれていたところがとても効果的であったと感じました。また、帯活動においてデジタル教材「Animals Jimgle」で初頭音に慣れる活動も、歌のように仕組まれ、自然と光景ができあがっていた現状に驚かされました。単元構成を工夫することで、こんなにも自然に表現の慣れ・習得へとつながっていくということがとてもよく分かりました。
事後研修会では、「単元構成」「帯活動」の2つの授業の視点からワークショップ形式で話合いを行いました。その後、東部教育事務所指導課指導主事 團 千加子先生に指導・助言を賜りました。その中で挙げられた成果は、「音の違いへの気付きから表現を広げる構成の工夫」や「帯活動(表現の継続)の有効性」、「写真やカード、ICT機器の活用による分かりやすさ」「指導者3人のモデルとしての高い意識」等でした。また、今後検討すべき点として「ねらいを達成するために必要なインプット・アウトプットする活動の仕組み方」「自分の思いや願いを表現しにくい子どもへの配慮(図画工作の作品紹介等)」「T1としての自覚、T2・T3との役割分担と打合せの時間の確保」等が挙げられました。
「授業に授業者の意図(思い)がある」ものというのは、必ず魅力のある授業だと思います。この授業には、「子供たちの実態・単元の中心が~だから、~なってほしい。そのために…する。」という授業者の願い・目的が明確で、表現・活動する楽しさを今日の子供たちは感じていたと思います。今回明らかになった「単元のゴール・中心となる表現を軸にして単元構成を工夫すること」「T1として意図(思い)をもって帯活動を継続的に行うこと」をぜひ日々の実践に取り入れるよう期待しています。
10月30日 H31年度プログラミング教育必修化に向けてのチャレンジ!
先日、10月30日(火)には、さみさと小学校にて「ICT(タブレット)活用研修会が開催されました。
5年生の公開授業では、算数科「図形の角を調べよう」という単元で「SPRK+」を活用した実践でした。「SPRK+」は、プログラミングに寄って制御できる小型ロボットで、タブレットを活用してプログラムした命令をロボットの動きで確認できるというものです。文科省が、プログラミング活用に勧めているこの算数科の単元で、「SPRK+」を活用して行う授業実践はまだ少なく、提案授業としてふさわしい授業でした。
今回の実践では、スピードと時間を固定して、曲がる角度のみを考えるよう設定し、子供たちの角に対する概念を「三角形の内角だけでなく外角もある」という気付きにつなげていく授業でした。
授業では、子供たち一人一人が「SPRK+」を動かす角度についての考えを事前にワークシートに書き込んで臨んでいました。そのため、グループでの言語活動は大変充実しており、互いに考えを出し合いながら、慣れた手つきでプログラムし、積極的に確かめていました。また、「描く方法を全員が説明できるように」という条件を付けていることで、グループ内での教え合い等も盛んに行われていたところが今までにないICTを活用した授業でした。
今回の授業は、外角という知識を教えるのではなく、子供たち自身がその角を見つけ出す授業でした。「知識の詰め込みによる理解ではなく、ロボット体験の中でプログラミング的思考力を働かせながら、深い知識・理解を得ることができた子供たちの姿」を観て、プログラミング教育の可能性の大きさを感じました。また、「一人一台」という個人学習という固定観念から脱却し、共同学習としての利点も示された授業であったと感じました。
事後研修会の後半では、富山大学准教授 長谷川春生先生から「新学習指導要領におけるプログラミング教育の位置づけと算数科・理科等での実践例」を詳しく教えていただき、大変充実した研修となりました。
先日の新聞記事に他県の現場の先生からこんな言葉が載っていました。
「何から手を付けたらいいか分からない。」と。
朝日町は恵まれたことに、町が積極的に環境を整備し、学校が積極的に活用する、いわば「ICT教育の先進地」として教育実践に取り組んでいます。今日の授業は、その成果を子どもの学習する姿で証明したものでした。これからも、「まず、チャレンジ」という積極的な気持ちを忘れず、ICTを活用した教育の推進に向けた町内教職員の意識と努力が必要だと感じております。