先日、10月30日(火)には、さみさと小学校にて「ICT(タブレット)活用研修会が開催されました。
5年生の公開授業では、算数科「図形の角を調べよう」という単元で「SPRK+」を活用した実践でした。「SPRK+」は、プログラミングに寄って制御できる小型ロボットで、タブレットを活用してプログラムした命令をロボットの動きで確認できるというものです。文科省が、プログラミング活用に勧めているこの算数科の単元で、「SPRK+」を活用して行う授業実践はまだ少なく、提案授業としてふさわしい授業でした。
今回の実践では、スピードと時間を固定して、曲がる角度のみを考えるよう設定し、子供たちの角に対する概念を「三角形の内角だけでなく外角もある」という気付きにつなげていく授業でした。
授業では、子供たち一人一人が「SPRK+」を動かす角度についての考えを事前にワークシートに書き込んで臨んでいました。そのため、グループでの言語活動は大変充実しており、互いに考えを出し合いながら、慣れた手つきでプログラムし、積極的に確かめていました。また、「描く方法を全員が説明できるように」という条件を付けていることで、グループ内での教え合い等も盛んに行われていたところが今までにないICTを活用した授業でした。
今回の授業は、外角という知識を教えるのではなく、子供たち自身がその角を見つけ出す授業でした。「知識の詰め込みによる理解ではなく、ロボット体験の中でプログラミング的思考力を働かせながら、深い知識・理解を得ることができた子供たちの姿」を観て、プログラミング教育の可能性の大きさを感じました。また、「一人一台」という個人学習という固定観念から脱却し、共同学習としての利点も示された授業であったと感じました。
事後研修会の後半では、富山大学准教授 長谷川春生先生から「新学習指導要領におけるプログラミング教育の位置づけと算数科・理科等での実践例」を詳しく教えていただき、大変充実した研修となりました。
先日の新聞記事に他県の現場の先生からこんな言葉が載っていました。
「何から手を付けたらいいか分からない。」と。
朝日町は恵まれたことに、町が積極的に環境を整備し、学校が積極的に活用する、いわば「ICT教育の先進地」として教育実践に取り組んでいます。今日の授業は、その成果を子どもの学習する姿で証明したものでした。これからも、「まず、チャレンジ」という積極的な気持ちを忘れず、ICTを活用した教育の推進に向けた町内教職員の意識と努力が必要だと感じております。