先日、10月31日(水)さみさと小学校にて「第2回外国語活動研修会」が開催されました。この研修会の目的は、小学校外国語活動で使用されている新教材「We Can」の活用法を知るとともに、H31年度からの教科化に向けてどのように授業改善を図り、中学校への円滑な接続を行うのかについて学ぶことでした。
公開授業の単元は、「We Can1 Unit 5の3時間目」で、三人称の表現に出合う場面を取り上げました。この単元教材は、第1回の外国語活動研修会で教材研究して、それを基に、授業者だけでなく外国語活動推進委員会が学習指導案の作成に携わったものでした。
この単元で取り扱わなければならない学習内容は、「Canをつかった表現への慣れ・親しみ」「三人称(He、She)への表現の広がり」です。この2つを子供たちがスムースに取り入れていくために、「音声の違いに気付く場面の設定」や「帯活動によるCanの表現への慣れ」を中心に単元構成を工夫しました。
本時では、帯活動において「Animals Cards Game」を用いてのcanを使った対話活動がありました。子供たちは、毎時間パターンを変えながら取り組んでいたせいか、とても慣れており、どの子とペアを組んでも「Can you~?」「Yes,I can~」「Are you ~?」「That’s right」というやり取りがとてもスムースに行われていました。帯活動の効果で「Canをつかった表現への慣れ・親しみ」が十分に達成されていることが分かりました。
その後、三人称との出合いの場面では、ALTとJTEによる「好きな人の紹介」を聞きながら、音声の違いへの気付きから三人称(He・She)の表現に出合うように設定されました。本田圭佑と安室奈美恵という子どもが興味を引く題材を基に紹介文を提示すると、子供たちは、耳をそばだてて聞き、すぐに「HeとSheの音に違い」に気付くことができました。その後のスリーヒントクイズの活動も、「He can~.She can~.」の表現に徐々に慣れていくように、段階を追って活動を仕組まれていたところがとても効果的であったと感じました。また、帯活動においてデジタル教材「Animals Jimgle」で初頭音に慣れる活動も、歌のように仕組まれ、自然と光景ができあがっていた現状に驚かされました。単元構成を工夫することで、こんなにも自然に表現の慣れ・習得へとつながっていくということがとてもよく分かりました。
事後研修会では、「単元構成」「帯活動」の2つの授業の視点からワークショップ形式で話合いを行いました。その後、東部教育事務所指導課指導主事 團 千加子先生に指導・助言を賜りました。その中で挙げられた成果は、「音の違いへの気付きから表現を広げる構成の工夫」や「帯活動(表現の継続)の有効性」、「写真やカード、ICT機器の活用による分かりやすさ」「指導者3人のモデルとしての高い意識」等でした。また、今後検討すべき点として「ねらいを達成するために必要なインプット・アウトプットする活動の仕組み方」「自分の思いや願いを表現しにくい子どもへの配慮(図画工作の作品紹介等)」「T1としての自覚、T2・T3との役割分担と打合せの時間の確保」等が挙げられました。
「授業に授業者の意図(思い)がある」ものというのは、必ず魅力のある授業だと思います。この授業には、「子供たちの実態・単元の中心が~だから、~なってほしい。そのために…する。」という授業者の願い・目的が明確で、表現・活動する楽しさを今日の子供たちは感じていたと思います。今回明らかになった「単元のゴール・中心となる表現を軸にして単元構成を工夫すること」「T1として意図(思い)をもって帯活動を継続的に行うこと」をぜひ日々の実践に取り入れるよう期待しています。